アジアでの信じられない仕事について
旅行者は知らない裏の繋がり
アジア地区はいずれの国でもその国の現地語を持つ国が多く、地元の人同士が現地語で話していることは観光客には分からないことが殆どだと思います。ですが、多少でも現地語が理解できると、観光客に悪さを働きかけようと企む者が、観光客を前にしていてもかなり大胆に際どい悪行相談をし合っているということが分かってくると思います。
言葉が分らないと言うことは大変恐ろしいことであり、悪徳仕事人に取ってはこれほど仕事の成功に都合のよい状況はないのです。
よくアジア諸国を旅していると、平日の昼間から路上に集まって世間話をしている人などもよく見かけると思います。数日間同じ場所に滞在していると、毎日のように同じ場所で見かける地元の人が目に付くこともあるかと思います。これらの発展途上国では、日本では考えられないほど定職に就いていない人が多く、街角にたたずんでは道行く旅行者の様子をさりげなく横目で追いながら、情報を流し合っているケースが多いのです。
この情報網に関しては、仕事に就いていることが当たり前とされ、大変忙しい日常生活を送っている、また、どの家庭でもある程度の生活水準に達していて、他人の行動には全く無関心であることが多い日本人の日常生活からは、予想もできないような行動かもしれません。
こういう情報網や裏の繋がりを上手く駆使して、旅行者をアリ地獄に誘い込むような形で犯罪を企む仕事人は、残念ながらアジア諸国において少なくはないのです。
地元の人はどう見ている
イヌやネコなどの動物が、自分のテリトリーを築き上げ、そのテリトリーを他の動物に侵されないように常に見張りを行う習慣を持っているように、悪徳仕事人には、ある特定のテリトリーがあることが多く、旅行者を対象とした一連の犯罪はそのテリトリーの中で行われることが殆どなのです。
そのため、悪徳仕事人はいつもそのテリトリー内のどこかにいて、その付近で生活する地元の人は特に、どの場所が誰のテリトリーであり、彼らの職業内容に関しても知っている人は少なくないのです。
ですが、悪徳仕事人の仕事ぶりに関して、警察に届けたり、ましてや、その行為を止めようとする人々は大変少ないと思います。地元に住んでいる人々は彼らが悪い人であることを知っていても、お節介な親切心のために、のちほど仕事人から仕返しを受け、自分の生活を脅かされたり、ましてや、警察と関係を持つことを極力嫌っています。困った時の掛け込み先である警察署でさえも信用できない状況では、一般の人々がそう考えるのもおかしいこと、人間としての道に外れた行動であるとは言えない部分があるのです。
何かの犯罪に巻き込まれそうになり、「キャー、誰か助けて!」と叫んだときに、駆け付けた誰かがまたまた犯罪者であるような状況は、日本では考えられないと思います。
仕事人の手口に引っかからないためには
こういった、日本人からは考えられないような、信じられない仕事に携わる人々から身を守るためにはどうしたらよいのでしょうか?
海外旅行について書かれたガイドブックやHP、外務省の注意勧告などを見ていると、犯罪から身を守るための情報について触れているページが必ずあるはずなのですが、その中には、「自分を守るのは自分」というニュアンスの言葉が書き添えられていることが多いと思います。海外旅行においては特に、何らかのアクシデントに巻き込まれないようにするためにも、悪徳仕事人の巧みな手口から身を守るためにも、深く肝に銘じておかなければならない言葉です。
自分を守ってくれるのは自分だけで、他人を頼ったばかりにさらに事態が悪い方向に進むというケースは少ないことではないのです。基本的にそう考えていれば、冒険心に負けて悪いとされることに手を出すことや、何かあった時に自力で帰って来れなくなるような危険が伴う場所に行ってみるというような、自分で責任を取ることができない軽率な行動は取らなくなると思います。
アジア諸国に数多く存在する仕事人の手口にまんまとかかってしまう人は、それは不運ということもあるかもしれませんが、その多くは、自分の身は自分で守ろうとする自意識が薄かったために被害を被る羽目になったという事件が殆どなのです。
下心
せっかくわざわざ海外旅行に出かけるのですから、悪徳仕事人のことを気にするあまり、旅行が楽しめなくなるということも避けたいものです。自由自在に観光地を歩き回ったり、地元の人々との話しを弾ませたり、いろいろな場所で買い物を楽しんだりというのは海外旅行の一番の楽しみであるからです。
ですが、日本人に近づいてくる地元の人々は、犯罪を企む者ではないにしても、何らかのきっかけで日本人と知り合い、連絡先などを交換してその後も繋がりを持ち続けたいという下心を持っている人は少なくないのです。それは、日本という国が多くのアジア諸国の人々の憧れの国であることの表れで、その国民としては嬉しく、誇らしく思える部分もあります。
特に発展途上国が多いアジア諸国では、日本を訪問するためには必ず何らかの形で滞在ビザを取得しなければなりません。日本人は日本国の発行するパスポートさえ持っていれば、制限期間内は自由に出入りできる国が世界中にあるので、そういう、どういう手口を使っても何らかのきっかけを掴みたがる発展途上国の人々の心理が理解できないかもしれません。
ですが、彼らが日本を訪問するためには必ず、日本人の身元保証人と、その人によって作成された保証人証明書、銀行預金証明書などが必要とされ、日本に知り合いがいなければ、日本滞在の夢は100%現実化することはあり得ません。そのため、日本人から見れば単なるあいさつ代わりの連絡先交換という行為にも、相手の地元の人には大きな期待、言い方は悪いかもしれませんが、「下心」が隠されている場合もあるのです。
悪徳仕事人から身を守ることに加え、このような一般人の心理に関する認識を持ち、自分の行動、言動には充分に注意を払いながら旅行を満喫しなければならないのです。
事故のない旅行
今や海外旅行に出かけることは何ら特別なことではなく、当たり前のレジャーとして定着している日本です。そんな状況の中、外国への旅行を計画するに当たり、その国の観光地や宿泊施設、食事や買い物の楽み方などについては大変詳しく事前調査する人は多いのですが、安全対策としては、外務省の渡航危険情報などを見て、大雑把に目を通しておくくらいのことで、過去その国において発生している日本人を対象とした事故例などに渡るまで、詳しく調べる人はとても少ないと思います。
ですが、これまでは事故なく無事で旅行を終了できていた人でも、必ず一度は滞在目的国で発生した、日本人旅行者のアクシデント体験談などを検索し、その国において多発している旅行者を対象とした犯罪手口について、できるだけ詳しく調べ上げておく必要性は高いと思うのです。
というのも、海外旅行先は常に変化し、いつも同じところばかりを選んで旅するリピーターはそれほど多いとは言えません。滞在先の国が常に変化したとしても、旅行者を対象とした悪徳仕事人の手口は、どこの国でもそう大きく変わりのあるものではないのです。
確かに、過去一度何らかのアクシデントに巻き込まれ、嫌な思いをしたことのある人は、その体験を繰り返さないように大変注意深くなります。ですが、初めてのアクシデント体験が取り返しのつかないような規模に発展してしまう可能性もなくはないのです。悪徳仕事人の働きぶりによることばかりではなく、海外旅行におけるあらゆる事故から身を守るために一番大切な策は、現地入りする前から犯罪に対する自分の意識を高めることに他ならないのです。